岩瀬孝文Facebook
羽ばたけ!日本女子ジャン王
RISE JC
髙梨沙羅 公式ウェブサイト

茂野美咲 スペシャルコラム

【コラム】2015年09月07日

「これからのこと」

国際スキージャーナリスト岩瀬孝文氏によるスペシャルコラム。 ついに迎えた2015-2016年シーズン、ベテランジャンパーとして後輩をけん引する茂野美咲選手の今とこれからを取材しました。

夏8月、札幌の空は青かった。
とことん飛んだつもりが、力みなのか、いまひとつ不十分な印象で口を結んだ。

いま何が必要なんだろう
春から地道に続けてきたウエイトコントロールは成功してきている。

踏み切りでみせる弾丸のような飛び出しのイメージもついてはきた。
「これから、なんですけど。もうひとつ、何かが…」
と、前を見据える。

サマー大会のメジャーゲーム、8月初旬、宮の森において一気に表彰台、そしてラージヒルの大倉山でおおきなジャンプを見せたい。

それが、いつもたくさんきてくれるCHINTAI応援団の皆さんとファンの人びとへの感謝の導(しるべ)になるから。

それゆえ、飛距離を伸ばしていきたかった。

ただ、そこまで満足いくメーターではなく、快心の笑顔は見られないまま。
多くは語らず、足早に控室に戻りTシャツに着替えて、応援団のもとに。
「すみません、声援してくれていたのに」
ぽつりとそう言い、頭を下げた。

いや、まだ、シーズンは始まったばかりと、元気づけられる。

朗報はある。

テクニカル指導のサポートを受けるライズジャンプクラブの小川孝博コーチが、この夏は全日本女子チームとの帯同をいったんストップさせて、集中して自チームの指導にあたることになった。

これにより、いつにも増して、より綿密なコーチングと技術の習得に時間をさけるようになった。
しかもシーズンインの朝日町から、名寄サマー、札幌サマー、そして内地の塩沢サマー、さらには白馬合宿を経ての妙高サマーへと、選手たちの心のケアを含み、じっくりと腰を据えての遠征が可能となった。

春から大倉山トレーニングジムを使用した体力トレーニングを積み重ね、そこから宮の森ジャンプトレーニングなど、札幌をベースに着々と良き練習の毎日であった。

加えて、節制である。
体重のコントロール、いわば軽量化が成功、より遠くへ飛ぶベースは整ってきていた。
しかし、春にちょっとしたアクシデントがあり、足首を故障したことがやや裏目に出ているのか、そのあたりの影響が無きにしもあらず。
ただ、それすらなんら言い訳にはしない。

つねにポジティブなのである。

夏場の小手調べにもなるはずの白馬女子ラージヒルも、出場すれば、一発のパワーを秘めているだけに、それはもう魅力あふれるロングフライトがみられたであろうが、そこはやはり、こつこつと地道に、である。
着地における足首への負担も莫大なものになるラージヒルだ。
その調子を見ながら、ゲームを回避するのもやむを得ないといえそうだ。

それだけに普段から飛び慣れているとはいえ、大倉山ラージヒルを飛び抜けたのは、実にフレッシュで前向きな姿勢のあらわれであった。

そして先に控える、長期の白馬合宿、それが楽しみでならなかった。




(文・写真 岩瀬孝文)

一覧へ戻る


TOPに戻る