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茂野美咲 スペシャルコラム

【コラム】2013年12月25日

あした、輝く

国際スキージャーナリスト岩瀬孝文氏によるスペシャルコラム。 2013-2014年シーズンの茂野美咲選手の想いを取材しました。

「楽しみなんです、W杯に出ること」

名寄合宿を終えて、ひとり、札幌駅前にたたずむ茂野美咲選手。

つい昨日、2013年/2014年シーズンのW杯遠征メンバーに選出されたばかりだった。
行き先はロシアのチャイコフスキーシャンツェ。
ここで確かな成績を残せば、先への道が限りなく大きく広がってくる。

「まだ、飛ぶ本数が少なくて不安です」とはいうものの力みはない。
それが茂野選手の持ち前の良さでもある。

「楽しみなんですW杯に出ること。今季は海外のチームで出場選手が増えたと聞いて、レベルも上がってきてると。であれば、さらにやりがいがあって」
にこやかに応える様は、なんやら頼もしさを感じる。

もう一段上のジャンプを目指して

「スキーがたってしまうこと、アプローチの乗り込みのこともあります。けれど、思うのは勢いにあふれて望んだ先シーズンと比べて、もう一段上にきているような感覚に包まれているんです」

今シーズンの国内の雪上開幕戦、名寄ピアシリでは、踏み切りのタイミングがばっちり合っての3位、そして迎えた翌日の吉田杯ではあったが、強風が止まずにキャンセルレースに。

「優勝しようと、でも、こういうときもあるのかなと。ただ、まだ雪のアプローチで飛んでいる本数が少ないので、それをなんとかしたくて」
そのように彼女は、じっくりと前を見据える。

2013年2月にイタリアで行なわれた2013バルディフィエンメ世界選手権の日本代表、これはれっきとした勲章だ。
そのとき惜しくも混合団体にはピックアップされずにいたが、限りなくその金メダルメンバーに近い状況だった。
「あのときも勢いがあって、海外遠征に出ることができて、しかも世界選手権代表!見るもの感じるものすべてが楽しくて、ちゃんとあれこれ吸収しようしていました」
これを経験しての現在である。

居酒屋ジャンパーからOLジャンパーへ

転機となった夏過ぎから、がらりと取り巻く環境が変わった茂野選手。所属はCHINTAIスキークラブ、さらには強化を担当する小川コーチとライズJC、とみに強力なバックアップ体制となった。

「当初は、その皆さんの期待に応えなればと、夏場の試合ではガチガチの状態でもあった」と明かすが、そんなことでへこたれるような彼女ではない。

しかも肌寒くなった季節から、満を持して専門のメンタルトレーナーとのコミュニケーションが取れるようにもなった。
「あれこれ、話を聞いてもらっている段階なんですが、だんだんと心が落ち着いてくるような雰囲気もあって、いい感じです」
この冬の、ここ一番の勝負のときに抜群の飛距離を出す、そんなシーンが目に浮かんできそうだ。

新型のアプローチ『アイストラック』に関してはどうであろう。
この秋に宮の森ノーマルヒルと大倉山ラージヒル、そして山形蔵王ノーマルヒルに導入がされた。
「まだ、乗ったことはないのですが、安定した機械作りのアプローチなので、どんどん乗っていけそうな良いイメージがあります。なので海外の台もそうですが、地元の宮の森や蔵王、大倉山で早く飛びたいです!」
と、意欲満々。
案外、このアイスアプローチは茂野選手に追い風になってくれそうだ。

美咲の夢

さて、CHINTAI北海道支社での仕事は、とても楽しくてならない。

「営業、どんとこいですよ。何でもやってみなくては。私のモットーはなんとかなるですから(笑)」
ばりばり営業をかけて売り上げを作り、そのかたわら好きなコーヒーで心を癒す、そんな良きイメージもあるようだ。
愛するレゲエのリズムに乗って札幌市内をスーツ姿で闊歩する営業レディ美咲、そういう姿もシュールそのもの。粋である。

また、将来的には、地元の新潟五日町に帰り、ジャンプ指導者を志したいとも考える彼女。
「自分の経験を踏まえて、よきものをジュニア選手や女子選手にたくさん伝えていきたいんです」
大学で教員免許を取得し、その思いもよりいっそう確かなものに、である。

出ることができれば最高の2月、さらに運を引き寄せてだ。
そうなれば、スキークラブの皆さんや地元新潟の人たちが、みんなして喜んでくれる。

茂野選手はその顔を見たいがために、今日も天空に飛んでいく。

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